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今日から、父と母の思い出が詰まった、ホテルオークラが改装工事に入る。
現状での最終営業の昨日は、母の誕生日にあたった。 胸が詰まる思いだろうと、母には1日経った今日メールをした。 案の定、切ない胸中を知らせる返信が届いた。 母の誕生日の祝いをオークラで、遺された家族ですればよかった。 来年は父の七回忌だ。 いまだに思う。「まじ、むかつく。なに死んでんの」。 この6年、母を見ていて、私は父に腹が立ってならない。 母は父への愛がたぶん、強すぎて、 ふたりが過ごした43年の間に、憎が入り交じった。 だから、父の長い闘病生活は決して平穏ではなかった。 亡くなってからしばらくは、母が父への思いを漏らすたびに、 「美談にするな」と思ってきたけど、 6年間、変わらない母を見ていると、 私は当時、母がなにと闘っていたか、ちっともわかっていなかったと思う。 「おかでさまで無事に74歳の朝を迎えられました。 いつものように自分のために珈琲をたて、 パパに紅茶を入れて1日が始まります。 静かな朝です。 気持ち穏やかに身体にも支障なく、 子どもたちに祝福されたことを感謝しながら過ごしましょう。 ありがとう。」 私が送った誕生祝いのメールへの、母からの返信だ。 この春、妹が家を出て、初めてのひとり暮らしをはじめた母は、 昨日、初めて誕生日をひとりで迎えた。 母にはいつまでもかっこよくいてほしいと思っていたけれど、 今は、とにかく元気でいてくれたら、それでいい。 ================================ この度、拙著『男と女のワイン術』、啓文堂書店様の新書大賞受賞にあたり、 ご購読くださったみなさま、応援してくださったみなさま、 書店さま、版元の方々、支えてくださったすべてのみなさまに この場を借りて、衷心よりお礼申し上げます。 本人からの報告、御礼が大変遅くなりましたこと、お許しください。
by 01414510
| 2015-09-01 12:13
| 柴田さなえ
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